過去の裁判

過去にあった企業の裁判や個人のユニークな裁判に関する話題を書いていきます!!

仁義なき裁判が与える影響とは

訴訟社会の米国では、公開直前の映画が差し止めを食らいかねないような、仁義なき裁判も行われます。原作の熱狂的なファンたちが長年待ち焦がれたSF大作が、撮影もほとんど終わり、あとは編集等を経て公開を待つばかりといった時期に、その作品の映画化権を先に獲得していた映画会社が、実際に製作した会社を相手取って、映画化の権利を侵害されたという訴えを起こしました。映画化権を先に獲得していた会社が製作せずに、他の会社が完成させたという経緯には、過去にあった因縁が絡む複雑な背景があるのですが、他社が作った今も、映画化の権利自体は先に獲得していた会社が正式な持ち主のままということで、要は「公開したいのであれば、それなりのお金を払うべし」といった要求を認めさせるために起こした裁判でした。判決によっては、映画の公開が危ぶまれる事態にもなりかねないだけに、世界中のファンがやきもきと推移を見守りました。
裁判の結果はなんと、訴えた側の、先に映画化権を獲得していた会社の言い分が認められ、裁判所の判決では、実際に映画を作った会社に、ほとんど撮り終えていた映画の製作差し止めを言い渡し、そのまま公開したいのであれば、正式な映画化権の持ち主である会社から、権利を買うことを命じるものでした。結果的に、映画化権そのもののやりとりではなく、映画公開によって得られる全収益から、それなりの額を賠償金として支払うといった方向で決着しましたが、勝訴したほうの、先に映画化権を持っていた会社は、実際には製作しなかったにもかかわらず、権利を持ち続けていたことが認められたというだけで、かなりの収益を獲得することになりました。
肝心の映画の興行収入は、前評判の高さのわりに、あまり振るわないものでした。原作のカテゴリとしてはヒーロー物のアメコミといった面もあったのですが、他のヒーロー物と違い、正義が悪と戦って勝つといったような単純明快なストーリー展開ではなかったこともあって、日本でもあまり評判にならないままとなってしまいました。そもそも、映画化の話が持ち上がった頃から、原作者が映画化を認めないなど、騒動が絶えなかった作品ですが、過去にあった他の映画の裁判と比べても、かなり後味が悪い結果となってしまい、勝訴したほうの映画会社も評判を落とすことになりました。映画が大ヒットしていれば、二大映画会社が映画化権を巡って争ったほどの大作として箔を付ける話題の一つになったかもしれない裁判ですが、「権利」の難しさのみ痛感された結果となりました。