過去の裁判やその他私の趣味

過去にあった企業の裁判や個人のユニークな裁判に関する話題を書いていきます。また、植物が昔から大好きですので、こちらにもちょくちょく記載していきたいと思います。

日本でも懲罰的な慰謝料を導入

アメリカの裁判を見ると、慰謝料の金額がかなり高いことがわかります。億単位の慰謝料は平気であり、企業としてはかなりの恐怖、リスクとなります。こうした背景があるため、簡単に非を認めないというのがあります。非を認めてしまえば、下手をすれば、億単位、それ以上の慰謝料になってしまい、企業にとって大きな影響を与えざるを得ない事態になってしまうからです。日本の裁判は今のところ、こうした懲罰的な慰謝料というのは少ないですが、段々と登場し始め、それが企業にとってかなりのリスクになっていることが考えられます。

日本の慰謝料の概念として、損失の補てんというのがあります。誰かに被害を受け、その被害を回復させるために必要なお金が慰謝料となります。この被害の度合いを巡り、被害を与えたとしてもそこまでではないと主張する企業側、確実にかなりの被害は受けているからこれくらいの慰謝料は必要だと主張する原告側が裁判で激突します。アメリカの場合、損失の補てんは当然とし、懲罰を与える意味合いで慰謝料を上乗せする傾向にあります。損失そのものはさほどなくても、懲罰となる慰謝料がかなり増えてしまうのがアメリカの特徴です。

懲罰的な慰謝料の狙いとしては、抑止力があります。パワハラが近年問題になっていますが、仮に裁判で訴えられたとしても、その金額がわずかであれば、他の企業としてはそこまでパワハラ対策をする必要に乏しく、リスクではあっても、そこまでのリスクではないと感じます。ところが、懲罰的な慰謝料により、多大な損害、リスクが生じるとわかれば、こうしたリスクを回避しなければならないという力が働き、パワハラがないようにする努力をするようになります。こうしたことを促すためにも、抑止力としての懲罰的な慰謝料という概念が存在することとなります。

今までの裁判ではリアリティのある賠償金が提示され、お金ではなく、被害に遭ったことを認めさせることがメインとなっていました。ところが、日本でも段々とこうした概念が取り入れられ、国民感情の高まりも相まって、成敗することへの期待が高まっています。そうした流れを受け、懲罰的な慰謝料の導入はパワハラや過労死などの抑止につながることが考えられます。また、ネット上の言論などで不用意に傷つける行為についてもこうしたものが導入されれば、確信的に行われる不法行為を減らすことができ、健全な空間を築き上げることが可能となります。