CMと現実の区別がつかない?
日本では、自己責任だと言われてしまうようなことでも外国では裁判で争われるケースも多くあります。
1991年にアメリカ在住の男性がバドワイザーのCMに対して虚偽広告だという訴訟を起こしました。
当時のバドワイザーのテレビCMは、バドワイザーを飲むと南国のビーチで美女たちに囲まれるなどという内容で、いろいろなファンタジーなことがあたかも現実になると信じてしまうような内容でした。
そのCMを見て、バドワイザーを飲んでみたが、一向に南国のビーチも美しい美女も現れないということに対して、バドワイザーのCMは虚偽広告だと訴えを起こし慰謝料1万ドルを要求したのです。
しかしながら、実際にもこのようなCMは数多くあり、特に珍しい内容だったわけでもありません。
訴訟を起こした理由に関しては、他にも自分の幼い息子がバドワイザーのCMに起用されていた犬にハマってしまい、このままでは、CMによってアルコールを飲むようになってしまうのではないかと考えたようです。
確かに、CMに出てくる動物やキャラクターに引かれて商品を買ってしまうということは多々あります。
ですが、いくら幼い息子であっても、お酒が飲める年齢になるころには、ファンタジーが現実になることはないと理解できるでしょう。
この訴訟は裁判所によって却下されましたが、そのあと彼は、女性にモテたいという願望を叶えるためにバドワイザーを飲んでいたという不本意なレッテルを貼られてしまうことになりました。