海外で本当にあった個人のおもしろい裁判
日本ではあまり見かけられない事例であっても、海外では考え方や法律が違ってきますので、日本人が想像もしないようなおもしろい裁判の事例が存在します。これから紹介するものは本当にあった事例です。国が違えばこのような内容の裁判が発生することを予想しながら、海外へ旅行へ出かけたり、移住を検討する際の参考にすると良いでしょう。 紹介する内容は、個人が訴訟を起こしたものが中心です。特にアメリカの事例が多く見受けられます。 アメリカでは日本と同じように、ビールのテレビコマーシャルが流れています。1991年に、バドワイザーの商品名でアメリカの酒造メーカーが、魅力的なテレビコマーシャルを放映しました。その内容はバドワイザーを飲むことによって、ナイスバディの美女たちや、南国などの夢が現実になるといったものです。一般の人なら商品をアピールする単なる宣伝文句のようにしか考えませんが、なんとこれを見た男性が、バドワイザーの酒造メーカーに対して、商品を飲んだのにテレビコマーシャルの内容のとおりに夢が叶わなかったとして訴えました。請求した慰謝料は、なんと1万ドルです。慰謝料を請求したのは虚偽のテレビコマーシャル内容のせいで、心の傷とお金を失ったからです。 この男性の訴訟は退けられましたが、その後、男性に対する悪いイメージが世間で広がってしまいます。びっくりするような訴訟を起こしたのは、バドワイザーのテレビコマーシャルを興味を持って見ていた自分の子供が、アルコールを飲んでしまうのを阻止するためであったと主張しました。子供のためを思って起こした行動だったことが判明した、おもしろい裁判です。 もっとおもしろい事例として、訴えを起こしたのが本人という、頭がこんがらがりそうな個人の裁判があります。自分に対して本人が訴えましたが、彼は1995年当時、服役中の立場でした。捕まった理由はお酒で酔っ払った勢いで重窃盗や押し込み強盗を行った末、実刑判決を受けたからです。 酔っ払った自分に対して、自分の自由が失われたと訴えた事例です。請求額は500万ドルです。これを見ると馬鹿な人間だと考えるところで、自分で慰謝料を払って本人が受け取りますので、本人が勝っても負けてもあまり意味がないことが誰にでもわかります。ところが、この男性は訴えた相手である自分に支払い能力がないことを理由に、州が500万ドルを肩代わりするように促します。とんでもない内容である一方、ユニークな発想とも見てとれるのがおもしろい事例だといえるでしょう。 |